vol.56 2013年12月28日発売
冬です。
案外に手強い今シーズン、
寒さに注意して過ごしたいものです。
そんな季節も
家の中を暖かくして
楽器を弾く時間は至福ですね。
ところで、
冬の乾燥は弦楽器の大敵です。
温度湿度管理には注意したいものです。
さて、今号の特集は“チェロ”。
あまりにも有名な《鳥の歌》を、
いくつかの視点で取り上げていきます。
パブロ・カザルスを巡るエピソード、
解釈と演奏法、
チェリスト8人に聞く《鳥の歌》への
思いなどを紹介します。
チェロアンサンブルの魅力を
プロとアマチュアの2つの団体を
通して探ります。
そして、
チェリストの倉田澄子と
宮田大、師弟の対談も
実現しました。
演奏技術についての記事は、
「ワンポイントチェロ講座・特別編」
として講師の黒川正三により、
楽器の扱い方・ボウイング・調弦など、
基本を振り返る基礎講座を掲載します。
関連して、2013年11月に行われた
「第3回ガスパール・カサド
国際チェロコンクールin八王子」、
ジャン=ギアン・ケラスによる
マスタークラスなどの様子も紹介します。
トピックスの音楽劇『船に乗れ!』や「音・新日本紀行」にも《鳥の歌》のエピソードが紹介されています(探してみてください)。
巻末楽譜は、特集と連動して《鳥の歌》を。チェロの二重奏版、そのうちのチェロ1本はヴィオラでも弾ける音域にしました。また、チェロとピアノのために、全日空のイメージ音楽である葉加瀬太郎の「アナザー・スカイ」をアレンジ、パート譜も用意しました。
葉加瀬作品は、原調のハ長調での編曲、チェロも朗々と歌うことでしょう。
毎回好評のヴァイオリン二重奏曲は、ヨハン・シュトラウスII世の「雷鳴と電光」を掲載しました。軽妙にお楽しみください。
特別企画は、楽器のケースがテーマです。題して「Case buy ケース」
実用一点張りだったケースが、素材・形・色……と工夫をして楽しくなってきました。今号では、ヴァイオリンとチェロのケースを紹介します。編集部に集合したケースの外観と内側、そして「ここはチェック」といったところをレポートします。
アーティストインタビューも盛りだくさんです。
アルバン・ベルク四重奏団で活躍したヴァイオリニストであり指揮者のギュンター・ピヒラー、マスタークラスの講師として教鞭を取った直後の彼の言葉は、厳しくも温かいものでした。
実力派ヴァイオリニストのイザベル・ファウストはバルトークについて話してくれました。完売公演続出で人気爆発中の2CELLOSからのメッセージもあります。
ギネスブック級の超絶技巧を誇るヤボルカイ兄弟は「ヴィルトゥーゾとは何?」を語ります。韓国の若手であるシン・ヒョンスが登場します。
このほか、創立30周年を迎えたフィルハーモニア・カルテット・ベルリン(PhQB)の特別座談会を行っています。ベルリン・フィルの中核を担うメンバーでもある4人により、30年間のエピソード、オーケストラや室内楽についてといった聞き逃せない話題を提供。
Artist Close-Upは、日本を代表するヴァイオリニスト、堀米ゆず子が登場します。エリーザベト王妃国際音楽コンクールで優勝、それから30年以上、世界を舞台に活躍する彼女にロングインタビューを行いました。世間を驚かせた「楽器事件」も語ります。
ほかにも、ヴァイオリンCD館では長原幸太、トピックスなど盛りだくさんな内容です。
コントラバス奏者が登場する「低音ジャーナル」では、五度調弦を取り入れて活躍している青森朋也のインタビューを掲載しました。
「ストラディヴァリウスの遺産」は、1710年に作られたロン・ロスチャイルド・ゴア・ブース(チェロ)です。鮮明な木目を持つ美しい楽器をお楽しみください。
好評連載の「ヴィオラをはじめよう!!・発展編」。読売日本交響楽団のソロ・ヴィオラ、鈴木康浩のアドバイスは大変に参考になります。今号はベルリオーズの「幻想交響曲」を題材にしました。
ニューヨーク・フィルのアーカイヴは、レナード・バーンスタインによるマーラー「大地の歌」です。マーラー、ワルター、バーンスタインと引き継がれた解釈を垣間見ます。
巻末の楽譜は、特集と連動して《鳥の歌》を。チェロの二重奏版、そのうちのチェロ1本はヴィオラでも弾ける音域にしました。もう1曲の特集連動は、葉加瀬太郎の「アナザー・スカイ」をチェロとピアノをアレンジ、パート譜も用意しました。
毎回好評のヴァイオリン二重奏曲は、ウィーン・フィルのニュイヤーコンサートにちなみ、ヨハン・シュトラウスII世の「雷鳴と電光」を掲載しました。こちらは軽快なテンポでお楽しみください。
なお、今号もプレゼントをご用意、ケースもあたります。
特集 「果てしなきチェロの世界」
●カタルーニャ民謡《鳥の歌》を訪ねて
・カザルス《鳥の歌》抵抗と創造のシンボル
・《鳥の歌》への思い/チェリスト8人に聞きました
長谷川陽子、山崎伸子、木越洋、藤森亮一、向山佳絵子、古川展生、石坂団十郎、Mariko
・《鳥の歌》 解釈と演奏 岩崎 洸
●特別師弟対談/倉田澄子 & 宮田大
●チェロアンサンブルの魅力
・チェロアンサンブルXTC/12 CELLOS
●チェリストのための基礎講座・特別編 黒川正三
?基本を振り返る:扱い方、調弦、ボウイング?
●倶楽部チェロ
・趙静インタビュー
・伊藤悠貴インタビュー
・チェロの日/ジャン=ギアン・ケラスのマスタークラス
Artist Close-Up
- 日本を代表するヴァイオリニスト、堀米ゆず子が登場します。
- エリーザベト王妃国際音楽コンクールで優勝、それから30年以上、世界を舞台に活躍する彼女は、今、J・S・バッハ、ブラームスのチクルスを控えた彼女の意気込み、その生き方などを聞きました。
- 世界中の人々は彼女を応援した「楽器事件」も語ります。
●Report クレモナ・レポート2
- 2013年9月にイタリア・クレモナで開催された2つのイベントを紹介します。
- 市内の一角で行われた、地元の若手製作者のアクティヴィティと趣のある会場での楽器展示会を紹介します。
●柏木真樹 基礎からのヴァイオリン習得術
- さらなる音楽的な進化を目指して?4「読譜力を鍛える」
●遠藤記代子のかっこいい!!ベーシックスタディ・4
- 「ヴァイオリンを自然に弾く身体になる」(4)
◎トピックス
★弦楽器フェア2013で「サラサーテ」10周年イベント
★第3回ガスパール・カサド国際チェロコンクールin八王子開催!
★都響とシンガポール響の交換事業でチェリスト来日
★寺神戸亮が紀尾井ホールでJ.S.バッハの室内楽を演奏
★音楽高校が舞台の交響劇『船に乗れ!』を上演
★スウェーデン民族音楽研修会2013
★アジア・オーケストラ・ウィーク、2013も熱く開催
★ウィーン・フィルのコンサートマスター夫人の著作発行
★コソボ&セルビア??平和へのコンサート
★ベルリン・フィルのデジタルコンサートがCDに!
★コンサートレポート 6本
◎話題
- ヴァイオリンCD館 長原幸太
◎復興へ、日本&東北
- 日本国内外のactivityを紹介
- 今回は、チェリスト 土田英順の被災地支援にまつわる活動を紹介します。
◎連載
※ますます好評の連載です。
●ヴィオラを始めよう!!
- ベルリオーズ「幻想交響曲」 鈴木康浩
●ニューヨーク・フィル アーカイヴを読む!
バーンスタインのマーラー「大地の歌」
●探訪! ストラディヴァリウスの遺産
【1710 ロン・ロスチャイルド?ゴア・ブース(チェロ)】
●カフェ・ドゥ室内楽
ボロメーオ弦楽四重奏団/室内楽Topics /
●ヴィオラ缶
須田 祥子 & SDA48
●低音ジャーナル
青森朋也/Bass Q?→A! ベートーヴェン交響曲第3番《英雄》/グスタフのBASSモノCDぶらり旅
●野田一郎の歌劇場のコントラバス弾き
◎News
◎READER'S ROOM
◎読者プレゼント(特別版)
◎アマチュアオーケストラ公演情報
巻末楽譜
◎「アナザー・スカイ」
葉加瀬太郎/
松原幸広/編曲
チェロ+ピアノ版
◎ポルカ「雷鳴と電光」
J.シュトラウスII世/作曲
松原幸広/編曲
ヴァイオリン二重奏版
◎《鳥の歌》【がんばろうマーク】
カタルーニャ民謡/原曲
松原幸広/編曲
チェロ+チェロ(またはヴィオラ)版
2013年 |
vol.55(2013年11月2日発売) |