vol.57 2014年3月2日発売
春です。
この冬が寒かっただけに、
喜びもひとしおです。
木々の芽吹きを感じながら、
外を歩いてみるのも素敵ですね。
楽器を持って、
誰かとアンサンブルをしたくなります。
サラサーテおじさんも、
弦楽四重奏を楽しんでいますが……
ヴィオラのお姉さまがいなくては……
ということで、
今号の特集は“ヴィオラ”です。
題して「ヴィオラという生き方」。
内声を司るヴィオラを始めたきっかけや、
その魅力を第一線で活躍する
ヴィオラ奏者の鼎談でお送りします。
そして、
多くのヴィオラ奏者を育てた岡田伸夫に、
ヴィオラ人生を聞きました。
また、
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団や
ベルリン・バロックで活躍した
ヴォルフラム・クリストが
ヴィオラの魅力を語ります。
さらに、今号では、
「ヴィオラを始めよう!」の
“特別編”として
演奏上のポイントを
鈴木康浩が深く説明します。
恒例の「ヴィオラスペース」の
今年のテーマはウィリアム・プリムローズと
ライオネル・ターティスです。
プリムローズに習った百武由紀にインタビュー。
また、ヴィオラ弦の新製品のレポートも掲載します。
もう一つの特集は「日本ヴァイオリンの黎明」。
偉大な先人たちの足跡を親方・無量塔藏六の蒐集した資料から、そのごく一部をひも解いていきます。明治時代中期からの日本での弦楽器製作の状況の一部を垣間見ることができます。
この特集から日本人の誇りをも感じることができるでしょう。
特別企画は、「肩当て」です。
古い時代には、使われていなかった肩当て。現代でも、使う人、使わない人に分かれています。
「使い手の事情」があるのですが、ここでは、そのメリットとデメリットを柏木真樹が考察しました。
その上で編集部が、代表的な13製品を紹介します。
さらに、毎日、弾き手と接する弦楽器専門店の店長のアドバイスも紹介しました。
今までにない切り口の企画です。どうぞ、ご期待ください。
アーティストインタビューも盛りだくさんです。
名演奏家にして名教師、ヴァイオリニストのピエール・アモイヤル、第5回仙台国際音楽コンクールに来日した彼の言葉は、厳しくも温かいものでした。
実力派ヴァイオリニストのフランク・ペーター・ツィマーマンはヒンデミットを語ります。
若手から中堅に移行しつつある実力派のゴーティエ・カピュソンは自然体で。素晴らしい演奏を残したエリゼ弦楽四重奏団のメンバーが室内楽の極意を披露します。
チェロはもう一人、タチアナ・ヴァシリエヴァです。
ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団の首席に内定している彼女の現在の充実ぶりをどうぞ。
北欧からはハルダンゲルヴァイオリニストのクヌート・ハムレとフランク・ローランドが、伝統と音の探求を語ります。
Artist Close-Upは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスター、ライナー・キュッヒルが登場します。
就任以来、40年以上の大ベテランのコンサートマスターにインタビューをしました。
オーケストラのこと、オペラのことなど、大いに語ります。
ほかにも、ヴァイオリンCD館では小森谷巧、倶楽部チェロでは水野由紀など、盛りだくさんな内容です。
コントラバス奏者が登場する「低音ジャーナル」では、ニューヨーク・フィルハーモニックで活躍している岡本哲史のインタビューを掲載しました。
「ストラディヴァリウスの遺産」は、1717年に作られた「ライフェンベルク(ヴァイオリン)」です。鮮明な木目を持つ美しい楽器をお楽しみください。
ニューヨーク・フィルアーカイヴは、レナード・バーンスタインによるマーラーの交響曲第7番です。
マーラー、ワルター、バーンスタインと引き継がれた解釈へ、著者の筆が冴えます。
前号からスタートした中学生・高校生の管弦楽クラブを紹介する「スクールオーケストラ訪問記」、好評の第2回は静岡県西遠女子学園オーケストラ部が登場します。
巻末楽譜は、特集と連動してヴィオラの二重奏版を用意しました。
哀愁あふれるイヴァノヴィチの「ドナウ川のさざなみ」です。
毎回好評のヴァイオリン二重奏曲は、NHKの連続テレビ小説『ごちそうさん』からテーマ音楽の「雨のち晴レルヤ」。軽快にお楽しみください。
東日本大震災復興支援ソングの一つ、「祈り〜a prayer」を弦楽四重奏+コントラバス版に編曲しました。いろいろな場所で是非、演奏してみてください。
なお、今号もプレゼントをご用意、ケースもあたります。
特集 「ヴィオラという生き方」
●ヴィオリスト鼎てい談【プロ編】 須田祥子・鈴木康浩・大島亮
●ヴィオリストを育てて 岡田伸夫
●ヴィオラと私 今井信子
●ヴィオラは自分の声 ヴォルフラム・クリスト
●ヴィオラを始めよう!!【特別編】 もっと上手くなるためのポイント
特別編
●プリムローズとヴィオラスペース 百武由紀
●ヴィオラ缶/コレリ・カンティガ弦 大矢章子
Artist Close-Up
- Artist Close-Upは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスター、ライナー・キュッヒルが登場します。
- ウィーン・フィル、ウィーン国立歌劇場管弦楽団のコンサートマスターに就任以来、43年。大ベテランの生き様に迫ります。
- オーケストラのこと、オペラのことなど、大いに語ります。
- 親日家でもある彼の素顔に興味は尽きません。幼少の頃からの写真も掲載しています。
●ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2014
- ゴールデンウィークに東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われる「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」。
- 2014年で10回目を迎える音楽祭の今年の魅力・聴きどころなどを案内します。
◎連載
※ますます好評の連載です。
●復活企画「音・新世界紀行」
- 今回は、オーストリア・ウィーンを旅しました。
- 新年とアーティストクローズアップに登場したライナー・キュッヒルにちなんで、彼が活躍するウィーンのリンク周辺を紹介、また元旦のニューイヤーコンサート生中継の舞台裏を語ります。
●倶楽部チェロ
- 水野 由紀/チェリストのための基礎講座・13
●スクールオーケストラ訪問記
- 静岡県・西遠学園オーケストラ部
●フィドラー功刀丈弘のヴァイオリン対談 第4回 荒井英治
- アイリッシュ・フィドラーとして活躍する功刀丈弘が、様々なヴァイオリニストと対談する連載。
- 今回は、東京フィルハーモニー交響楽団のソロ・コンサートマスター荒井英治が、プログレッシヴ・ロックを功刀と語ります。
●柏木真樹 基礎からのヴァイオリン習得術
- さらなる音楽的な進化を目指して 5「読譜力を鍛える」最終回
●遠藤記代子のかっこいい!!ベーシックスタディ・4
- 「ヴァイオリンを自然に弾く身体になる」(5)
●アマチュアオーケストラを訪ねて・12
- 損保ジャパン日本興亜管弦楽団
●ヴァイオリンCD館
- 小森谷 巧
●復興へ、日本&東北
- 日本国内外のactivityを紹介
- 今回は、ワールドドクターズオーケストラ(WDO)の支援コンサートについて
●ヴィオラを始めよう!!
- 特集の中に「特別編」として組み込みました。
●弦楽器工房を訪ねて
- 石田ヴァイオリン工房 九州・福岡に訪ねました。
●ニューヨーク・フィル アーカイヴを読む!
- バーンスタイン:マーラー交響曲第7番
●探訪! ストラディヴァリウスの遺産
- 【1717 ライフェンベルク( ヴァイオリン)】
●カフェ・ドゥ室内楽
- アトリウム弦楽四重奏団/室内楽Topics /
●ヴィオラ缶
- 特集の中に「カンティガ弦」として組み込みました。
●低音ジャーナル
- 岡本哲史/Bass Q?→A! ベートーヴェン交響曲第3番《英雄》/グスタフのBASSモノCDぶらり旅
●野田一郎の歌劇場のコントラバス弾き
◎トピックス
★熊本発信、マロオケコンサートの盛況
★篠崎ヴァイオリン教室、北九州で50周年
★SUZUKI「テン・チルドレン」50周年
★映画『白ゆき姫殺人事件』に「芹沢ブラザーズ」として出演のTSUKEMEN
★堤剛が文化功労者に!
★カーボンファイバー製弦楽器、コルグから発売
★第1回みやこじま青少年音楽祭
★第4回チェロの日開催
★コンサートレポート 6本
◎News
◎READER'S ROOM
◎読者プレゼント(特別版)
◎アマチュアオーケストラ公演情報
巻末楽譜
◎「ドナウ川のさざなみ」
I.イヴァノヴィチ/作曲
松原 幸広/編曲
ヴィオラ二重奏版
◎「祈り?a prayer」
河邊 一彦/作曲
松原 幸広/編曲
弦楽四重奏+コントラバス版
◎『ごちそうさん』より
「雨のち晴レルヤ」
北川 悠仁/作詩
北川 悠仁・佐藤 和哉/作曲
松原 幸広/編曲
ヴァイオリン二重奏版
vol.58(2014年5月2日発売) |
2014年 |