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2023年6月号【vol.112】(2023年5月2日発行)
サラサーテvol.112表紙
●表紙&Artist Close-up 山瀬理桜
 今号はハルゲンダルヴァイオリン奏者でヴァイオリニストでもある山瀬理桜です。
 桐朋学園大学ヴァイオリン科を卒業した彼女は、ピアニストの姉の嫁ぎ先であるノルウェーに行き、デュオコンサートをムンク美術館で開催。
 それが毎年続くことになり、国に魅せられると共に、ハルダンゲルヴァイオリンにも魅せられ、それを学ぶことになった。
 そしてノルウェーでもそのプロとして認知され、公演を重ねている。その行き来はもう30年近くなる。
 現在、山瀬は日本のリオン音楽院の学院長も兼務し、もちろんハルダンゲルヴァイオリン科も設けて後継の養成にも力を入れている。
 ジュエリーブランドを立ち上げたり、著作を上梓するなど多彩に活躍している。
創刊20周年記念
 サラサーテは創刊20周年を迎えました。それを記念した豪華読者プレゼントがあります。
 さらにオリジナルクリアファイルも作成いたしました。
 また高級ヴァイオリン「サントスピリト」のモニタープレゼントもあります。サラサーテを買って、どしどし応募してください。お待ちしております!
※本誌2023年6月号のとじ込みはがきでご応募ください。
 2023年6月5日締め切り(消印有効)。
【特集】ヴィオラに愛を捧げて
今井信子80歳アニバーサリー
 2020年10月号以来のヴィオラ特集です。
 折しも今年は今井信子生誕80年の記念年でもあります。
 1964年からヴィオラに本格的に転向したということですから、ヴィオラ生活も来年60年を迎えます。
 誕生日3月18日の翌日日曜日に、現在、教鞭を執っているアムステルダムのコンセルトヘボウで彼女の弟子や仲間たちが集まって記念コンサートが開かれました。8月には日本でのコンサートも開催されます。
 今井信子80歳記念コンサートinオランダ&インタビュー/弟子と共演者が語る今井信子/シューマン:幻想小曲集を弾こう!(中恵菜)/「ヴィオラの魅力は"間(あいだ)"の世界」(村上淳一郎)/【アンケート】プロオーケストラの首席ヴィオラ奏者が選ぶ「ヴィオラがおいしいオーケストラ曲」(札幌交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、大阪フィルハーモニー管弦楽団、山形交響楽団、群馬交響楽団、千葉交響楽団、新日本フィル交響楽団、東京交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京都交響楽団、パシフィックフィルハーモニア東京、東京フィルハーモニー交響楽団、日本センチュリー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、読売日本交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、広島交響楽団、富士山静岡交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、大阪交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、九州交響楽団の皆さまにご協力いただいた他、特別編としてデンマーク国立放送交響楽団第3首席奏者の東条慧さん、BBCフィルハーモニック副主席奏者の牧野葵美さん、ソリストの川本嘉子さんにご参加いただきました)


今井信子 80th Anniversary 2023年3月19日 アムステルダム・コンセルトヘボウにて © Foppe Schut
クレモナのコンテンポラリー製作家/マヌエレ・チーヴァ
 クレモナ弦楽器製作協会所属の製作家と楽器を紹介する連載です。
 第12回は、1987年クレモナ生まれクレモナ育ちのマヌエレ・チーヴァです。
 14歳で生地のヴァイオリン製作学校に入学した彼はめきめきと腕を上げ、卒業するとステファノ・コニアの工房に入ります。
 師匠の作品を目標に緻密に仕上げられた楽器で頭角を現し、独自の個性も発揮するまでに成長しました。同じ師匠のもとで修業していたメキシコ人女性と結婚し、いつもふたりでクレモナの中央、ドゥオモ広場の目の前の工房で、土日もなく製作を続けています。
STAGE PICK UP
 ようやくコロナの収束し、モルドヴァの女流、パトリツィア・コパチンスカヤが4年ぶりに来日してくれました。
 東京トッパンホールでのリサイタルは、シェーンベルク、ウェーベルン、ベートーヴェン、フェルドマン、アンタイルを並べるという、ユニークかつ超難解なもの。しかし彼女の野性味あふれるエネルギーは聴衆に退屈する暇さえ与えませんでした。


パトリツィア・コパチンスカヤ 3月23日 トッパンホールにて ©藤本史昭
小石川櫻花音楽祭
 「質の高いオーケストラ教育と楽器をみんなに」をミッションに掲げて、文京楽器ピグマリウス・アカデミアが、小石川櫻花音楽祭を開催しました。
 構想から5年、2020年3月に開催予定だったものが、コロナ禍のため3年を経て遂に実現したものです。ヴァイオリニスト久保陽子を要に学習院輔仁(ほじん)会音楽部管弦楽団、大石啓(シンセサイザー)、青田絹江(オルガン)が参加して、カトリック教会の荘厳な響きの中、クラシックが鳴り響きました。

小石川櫻花音楽祭(ソリスト久保陽子と学習院輔仁会) 写真提供:ピグマリウス・アカデミア
アーティストインタビュー
 東京交響楽団に招聘された佐藤俊介は、協奏曲のソリストのみならず、ベートーヴェンとメンデルスゾーンの交響曲の指揮も執りました。ベートーヴェンでは指揮しながらヴァイオリンを弾きました。この6月で、10年務めたオランダ・バッハ協会の音楽監督と、コンチェルト・ケルンのコンサートマスターを退任します。さて、次は何をやるのでしょうか?
 昨年7月、仏エクサン・プロヴァンス音楽祭の新作オペラで指揮デビューした阿部加奈子。今年は小澤征爾以来50年ぶりで英ロイヤル・オペラに同じ作品でデビューします。東京藝術大学作曲科を卒業した彼女はパリ音楽院に留学。まだ偏見を残っていた時代に、どうやって指揮者の道を歩んで来たのでしょうか?
★連載・記事★
●篠崎MARO史紀・新連載プレ記事「伝統と継承−未来へ」
 東京ジュニア・オーケストラ・ソサエティの卒団生たち
 次号より開始するNHK交響楽団特別コンサートマスターの篠崎MARO史紀の連載では「伝統と継承」、
 「愛」をテーマに楽曲や自身の体験を紐解き語っていく。それに先立ち、東京ジュニア・オーケストラ・ソサエティのOBたちと座談会を行った。

篠崎史紀と東京ジュニア・オーケストラ・ソサエティと卒団生たち
●老舗弦楽器専門店の工房から
 弦楽器専門店の老舗・文京楽器。製作者としても評価の高い敏腕・堀酉基社長による連載。
 第3回は「弓のスティックを再発見する」。前回に続き弓の具体的な鑑定方法について取り上げる。

●コンサートマスター長原幸太のオーケストラスタディ
 読売日本交響楽団のコンサートマスター長原幸太によるオーケストラスタディ。
 第18回はマーラーの交響曲第1番《巨人》前編。

●柏木真樹「ヴァイオリン習得術革命
 誤った常識を打ち破れ」 これまで当たり前に行ってきたヴァイオリンの練習方法に誤りはないか?ヴァイオリン指導者の柏木真樹が、骨や筋肉などの身体の仕組みから、効果的な演奏方法を考察する。
 「大人向け全く新しいアプローチ」の9回目。

●「低音ジャーナル」幣隆太朗が聞く!
 幣隆太朗が「すごい! すばらしい!」と思う、尊敬するコントラバス奏者を訪問し、インタビュー。
 第3回はミュンヘン放送交響楽団の首席奏者ヴィース・ド・ブフ。

●グスタフのCDぶらり旅
 今回は、スロヴァキア出身のヤン・クリゴフスキーのコントラバス独奏による「シュベルガー:コントラバス協奏曲集」を紹介する。

●加藤正幸の「BassQ→A! HYPER弓付の極意」
 プロオーケストラで活躍し続ける加藤正幸が読者からの質問に答える連載。
 前号に続き、リヒャルト・シュトラウス《ドン・ファン》の演奏のコツ。

●森武大和「ウィーン コントラバシスト演奏日記」
 森武大和がオーストリア・ウィーン放送交響楽団での演奏家としての日々を語る。
 第27回は「オーディション必勝法 その2」。

●森元志乃「ヴァイオリン基礎テクニック、リターンズ!・3」
 奏法について 運弓法を中心に」と題し、ヴァイオリンのさまざまな奏法を整理。その上で一つひとつの奏法の成り立ちや弾き方を取り上げていくシリーズ。
 第9回は「移弦奏法」の3回め。知っておけばいざという時に回避することができる「移弦トラップ」を取り上げる。

●長谷川陽子 今日ものんびりチェロ日和
 人気チェリスト長谷川陽子によるエッセイ。チェロとともに過ごす日常を語る。
 第11回は悩みの尽きない読譜がテーマ。「楽譜を読み解くプロセス」について綴る。

●「遠藤紀代子の一筆エッセイ」
 ヴァイオリニストで指導者の遠藤紀代子が、日々感じたことを綴る一筆エッセイ。
 今号は、イザイの6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ作品27にまつわる話題。

●白瀬ゆり「こどものおけいこ」
 子どもにヴァイオリンを習わせたいけれど、楽器はどう選ぶ? 自宅での練習はどのくらいしたら良いの? 子どものおけいこヴァイオリンについて、ヴァイオリン教師の白瀬ゆりが解説していく。
 第15回は「長く楽しむために」。
 大人初心者にもお薦めのモチベーションアップにつながる魔法(?)について取り上げます。次回最終回スペシャルでは読者の皆さまの質問にお答えします。質問はこちらから→ https://questant.jp/q/GUX7WBOY (2023年5月25日締め切り。上限に達した時など、予告なく締め切る場合があります)

●田原綾子のすばらしいヴィオリストたち
 東京音楽コンクールで優勝し、リサイタル室内楽でも活躍する若きヴィオリストの田原綾子。パリ・エコールノルマル音楽院を経て、デトモルト音楽大学にてファイト・ヘルテンシュタインのもとで学ぶ。コロナ禍、日独の行き来の難しい日々の中で、これまで出会った「すばらしいヴィオリストたち」を紹介ししていく。
 第14回はヴィオラ奏者として劇場で演奏もしていたという作曲家、ドヴォルザークへの想いを綴る。

●倶楽部チェロ
 水谷川優子:第15回目の節目となるリサイタルシリーズへの想いを語る。
 海野幹雄:今年生誕記念を迎える作曲家の作品を取り上げるチェロ・リサイタル2023について語る。

●黒川正三の「エチュード活用法」
 「チェリストのための基礎講座」の新シリーズ。チェロの古典的なエチュード「ドッツァウアー」を用いて、基礎的な技術を学び直す。
 第6回は「美しい音色と豊かな表現へ《ヴィブラート》」。
 なお、この連載では黒川お手製の動画と連動している(https://youtu.be/byd3vGCoHQQ)。質問やリクエストも受け付けている(https://questant.jp/q/W9SN5BS5)。
  ※記事内で回答いたします。

●宮田大の「チェロ・ソナタ 聴かせどころ聴きどころ」
 人気実力共に抜群のチェリスト宮田大がチェロ・ソナタを解説。弾き方だけではなく、聴きどころも紹介していく。2022年10月号の続きとしてブラームスのチェロ・ソナタ第1番を取り上げる。今回と次回とで第3楽章を解説する。「コラム:旅の空より近況報告」にも注目。

●カフェ・ド・室内楽
 故郷、韓国の室内楽界をリードする新鋭、ノヴス弦楽四重奏団(Jaeyoung Kim/Vn、Young-Uk Kim/Vn、Kyuhyun Kim/Va、Wonhae Lee/Vc)が登場。
 2022年6月から11月にかけて行われた韓国初・ベートーヴェン弦楽四重奏曲ツィクルスの模様もお届けする。

●志村寿一の「身体と音楽との調和」
 身体と楽器との良い関係について取り上げている。
 今号も前回に続き「楽器の演奏を通して"自然"を取り戻す」。メッサ・ディ・ヴォーチェを伴った音階練習について譜例を用いて詳しく解説。今回も、ぜひ弾きながら読み進めてほしい。

●室内楽プラス
 夏の京都でチェリスト河野文昭率いるクインテットWAM・キョウトが始動。結成の経緯を聞いた。/クァルテット・アルモニコは毎年行っている自主コンサートでベートーヴェンとハイドンが同時期に書いた作品を取り上げる。コンサートにかける想いを聞いた。


クインテットWAM・キョウト
左より玉井菜採(Vn)、永峰高志(Vn)、河野文昭(Vc)、大野かおる(Va)、佐々木亮(Va) ©DORIAN NAKAGAWA

クァルテット・アルモニコ
写真左より生田絵美(Vn2)、阪本奈津子(Va)、松本卓以(Vc)、菅谷早葉(Vn1)
●エクトル・カルテット「ないしょの手紙」
 カルテット留学inプラハ 中川理子(Vn1)、染谷亜紗子(Vn2)、大畑祐季乃(Va)、山口奏(Vc)によるエクトル・カルテットは2017年4月、東京音楽大学で結成され、現在プラハ芸術アカデミーの室内楽科に留学。
 メンバーが交代でプラハでの出来事を綴る。
 今回は染谷が担当。一時帰国の際に行ったコンサートについて綴る。留学川柳では「プラハの春」を読む。

●リニューアル アマチュアオーケストラ ファイル61
 ゲーム音楽の演奏に情熱を燃やし集う唯一無二の常設オーケストラ、コスモスカイオーケストラを取材。

●川畠成道の「レガート・コンチェルタンテ」
 ヴァイオリニスト川畠成道が演奏活動の日々を綴るエッセイ。
 今号は「いかに楽譜から離れるか」について。

●その他
 [特別レポート] 復活!「宇宙戦艦ヤマト」の音楽/第32 回青山音楽賞/増音・整音KaNaDe 新製品発売
 [海外レポート] 北川千紗オランダツアー/文京楽器 小石川櫻花音楽祭/サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン聴きどころ/古川展生produceスーパー・チェロ・アンサンブル/トピックス・大阪国際室内楽コンクール&フェスタ記者発表/トピックス・映画「TAR/ ター」/トピックス・映画「テノール! 人生はハーモニー」

北川千紗オランダツアー
巻末楽譜
 劇場版『銀河鉄道999』弦楽合奏版 作曲/タケカワユキヒデ 編曲/松原幸広
 バレエ《くるみ割り人形》より〈花のワルツ〉ヴィオラ三重奏版 作曲/チャイコフスキー 編曲/飯田香

★★『サラサーテ』112号(せきれい社刊)は書店・楽器楽譜店などにて販売。
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アーティストインタビュー
佐藤俊介(Vn)

阿部加奈子(指揮)
©RyotaFunahashi

倶楽部チェロ
海野幹雄(Vc)

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