vol.53 2013年7月2日発売
新緑の季節です。
そろそろ夏本番ですね。
夏休みのプランなども、
そろそろ考えどころ、という
時期でしょうか。
その前に七夕も、
海の日も楽しまなくては……
弦楽器にとって、
夏は少々つらい季節です。
とはいっても
開放的な気分になるのは確かですね。
楽器を弾くのもいいし、
ちょっとできた時間の中で、
楽器を眺めてみるのも
いいかもしれません。
さて、今号の特集は「弦」です。
今回は「弦」をメーカー/ブランド毎に、
その特徴・特色を紹介しました。
タイトルは「弦の事典」、本誌Vol.17以来の特集です。
わかりやすく分類し、ビジュアルでもお楽しみいただけます。
カラフルなパッケージもお楽しみください。
ピラストロ、トマスティーク・インフェルト、サバレス、ワーシャル、ダダリオなど
メーカー別のブランド、プリム、ラーセンなど楽器によっての定番弦も紹介していきます。
ほかにも弦にまつわる小話をまとめました。
弦の歴史、どんな弦があるの? 弦の交換時期は? ヴァイオリンのE線の話題……。
本誌ならではの特集をどうぞ。
もうひとつの特集は、
「チェロの巨星、墜つ
追悼 ヤーノシュ・シュタルケル」です。
今年の4月28日の彼の逝去に
情報は世界をめぐりました。
この亡くなった偉大なチェリストを
偲ぶ記事です。
彼に学んだチェリストの堤 剛、三宅 進。
2人の愛弟子の言葉から、
時に厳しく、時に優しく、
ユーモアに溢れたマエストロの素顔を
ご紹介します。
改めて、巨匠の偉大さを感じさせられます。
同時に、シュタルケルを音で聴いてみよう、
とCDの紹介も企画しました。
特別企画は、「アルシェの弓」です。
フランス系の銘弓を徹底的に解析、日本の細やかな伝統工芸で培った技術と弓作りを融合させて30年、アルシェ弓を2回にわたって紹介します。
初回はこのブランドの基礎を作った大瀬国隆に話を聞きました。
彼を受け継ぐ技術者にもインタビュー、弓作りの現場にもお邪魔しました。
巻頭アーティストは、ヴァイオリニストのニコラ・ベネディッティ、近況と故郷スコットランドでの活動を語ります。
ポップスを中心に海外にも活躍の場をひろげた末延麻裕子、レディ・ガガや坂本龍一とツァーを重ねたジュディ・カンが登場します。
オーケストラとソロで活躍するコントラバシストの幣隆太朗、バロックのフィリップ・ピエルロ(リチェルカール・コンソート)もフランスのバロック音楽を語ります。今回も、ベテランから若手までのインタビューを満載しました。
Artist Close-Upに、ヴァイオリニストのチョン・キョンファがいよいよ登場します。
この6月の来日公演ツアーに先立つ今年3月、アメリカ合衆国のニューヨーク市に訪ねました。彼女の自宅で、音楽・人生・ヴァイオリンを語った2時間です。
ほかに、6月に開催された「仙台国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門」のファイナル・レポートも掲載。
第1位を獲得したリチャード・リンに話を聞きました。
私たちにとって、残念だったのがヴァイオリニスト潮田益子さんの訃報。
生前の潮田さんの思い出を、長く彼女のマネージメントに携わった薮田益資さんの寄稿で掲載しています。
今回からの新連載が3つです。柏木真樹と遠藤記代子それぞれの連載が、新しい企画に。
それぞれ、「読譜力を鍛える」(柏木)と「ヴァイオリンを自然に弾く身体になる」(遠藤)です。
さらにフランクフルト歌劇場管弦楽団の野田一郎の新連載「fromフランクフルト オペラ劇場のコントラバス弾き」もご期待ください。
ほかにも、ガブリエル・リプキン、鈴木秀美のマスタークラス、柴香苗が校訂した「カール・フレッシュ・スケールシステム」など盛りだくさんな企画です。
コントラバス奏者が登場する「低音ジャーナル」では、ゾラン・マルコヴィッチのインタビューを掲載しました。
「ストラディヴァリウスの遺産」は、1734年に作られたスコットランド・ユニバーシティ(ヴァイオリン)です。この楽器の特徴と美しい姿をご覧ください。
演奏ノウハウについて、発展編の「ヴィオラをはじめよう!!」。読売日本交響楽団のソロ・ヴィオラ、鈴木康浩のアドバイスは大変に参考になります。今回はドヴォルジャークの有名交響曲を題材にしました。
ニューヨーク・フィルのアーカイヴは、レナード・バーンスタインによるブラームスの交響曲第4番です。実際にアーカイヴを訪ねた記事とあわせて、ご覧ください。
楽譜は、今号は大ブレークしたNHKドラマ『あまちゃん』のテーマソングとベートーヴェンの「トルコ行進曲」の2曲。
たった2曲ですが、本誌は『あまちゃん』に思いを託して、2つのアレンジを収録しました。ヴァイオリンとピアノ(そしてギター)、弦楽合奏の編曲です。ヴァイオリン版は、さらにヴァイオリン・ソロ譜を独立させて収載。より手軽に本誌の巻末楽譜を演奏できるようにしました。夏休みのイベントなどで活用してください。
今号のプレゼント、弦を2種類。
(1)新製品のサバレスの「カンティーガ」と(2)トマスティーク・インフェルトのドミナントのE線です。(3)ピラストロ社の新製品の松脂「エヴァ・ピラッツィ・ゴールド」、(4)「ウィーン・フィルとともに〜ワルター・バリリ回想録」のバリリ直筆サイン本、(5)新刊の楽譜「カール・フレッシュ・スケールシステム」、(6)フランクフルト・ムジークメッセ2013のグッズを用意しました。
是非、書店・楽譜店でご覧ください。
特集 「弦の事典」
今回は、「弦」のメーカー、ブランドの特徴・特色を紹介しました。タイトルは「弦の事典」。
- 「弦のカタログ」
ピラストロ、トマスティーク・インフェルト、サバレス、ワーシャル、ダダリオほか - 「弦・使いこなし術」
手入れ・寿命・交換時期
弦のトリビア、E戦線異常あり?こうして見つけよう、あなたの弦
特集 「チェロの巨星、墜つ 追悼 ヤーノシュ・シュタルケル」
- 大きな足跡を残した20世紀最後のチェロの巨匠
〜堤 剛 に聞く
・恐ろしいけれど、優しさのある師
〜三宅 進 に聞く
・シュタルケル名盤案内
カラー特別企画 弓・アルシェ
今号から2回にわたってアルシェ弓を企画します。
- ゼロから始めた同社のブランド作り、初回は弓作りの基礎を作った大瀬国隆に話を聞きました。
- 神奈川県小田原市にある同社の弓作りの工場を訪問し、彼の後を継ぐ、技術者たちの話も掲載しました。
- 日本が誇る「ものつくり」の現場を紹介します。
Artist Close-Up
- 第11弾は「ヴァイオリンのチョン・キョンファ」です。
- 数年間、演奏活動から遠ざかっていた彼女をニューヨーク市の自宅を訪ねてインタビュー、音楽に向かう情熱を聞きました。
- どのように復活したか?
どうぞ、ご一読ください。
新連載の新連載です。
- とそれぞれの連載が、企画も新たに登場します。
- それぞれ、「読譜力を鍛える」(柏木真樹)と「ヴァイオリンを自然に弾く身体になる」(遠藤記代子)です。
- さらにフランクフルト歌劇場管弦楽団の野田一郎の新連載「from フランクフルト オペラ劇場のコントラバス弾き」もユニークな視点で。
特別レポート
アマチュアオーケストラを訪ねて
- 今回は特別編です。
- 東日本大震災の被災地を訪れたアマチュアオーケストラ「陸前高田にオーケストラを」の現地コンサートをリポート。
- およそ半年間の活動、中心になった2人と、ともに突っ走った90人の思いを伝えます。編集部からの2人がメンバーとして参加しました。
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013 のレポート、
- 今回はLUNA SEA/XJAPANのSUGIZOのコメントもあります。
◎トピックス
フランクフルト・ムジークメッセ2013
ニューヨーク・フィル アーカイヴ訪問記
fromウィーン ワルター・バリリと東京クヮルテットを聴く
ヤマハ・フレッシュコンサート
北欧伝統音楽のヴェーセン、東京ツアー2013
バイオリン製作研究会例会レポート
関西弦楽器製作協会展示会レポート
復興支援CD「魂の歌」リリース&コンサート
コンサートレポート 8本
◎話題
「カール・フレッシュ・スケールシステム」
追悼・潮田益子
演奏家のための緊張しない本番の迎え方
ヒンデミット研究所(フランクフルト)を訪ねて(2)
ヴァイオリンCD館/鈴木理恵子
◎復興へ、日本&東北
日本国内外のactivityを紹介
◎連載
※ますます好評の連載です。
ヴィオラを始めよう!!
歌う刻み ドヴォルジャークの作品から 鈴木康浩
ニューヨーク・フィル アーカイヴを読む!
バーンスタイン・ブラームス
探訪! ストラディヴァリウスの遺産
【1720 レッド・メンデルスゾーン(ヴァイオリン)】
カフェ・ドゥ室内楽
ヘンシェル・クァルテット/室内楽Topics
ヴィオラ缶
佐々木亮インタビュー/ヴィオラスペース2013
倶楽部チェロ
- 辻本 玲インタビュー
- チェリストのための基礎講座 第10回「重音」/海野幹雄/鈴木ライナー龍一/12人チェロCD
低音ジャーナル
- ゾラン・マルコヴィッチ/Bass Q?→A! ブラームス交響曲第1番/グスタフのBASSモノCDぶらり旅
◎News
◎READER'S ROOM
◎読者プレゼント
◎アマチュアオーケストラ公演情報
巻末楽譜
◎NHKドラマ『あまちゃん』テーマソング
大友良英/作曲
松原 幸広/編曲
ヴァイオリン+ピアノ版
◎NHKドラマ『あまちゃん』テーマソング
大友良英/作曲
松原 幸広/編曲
弦楽四重奏または弦楽合奏版
◎『アテネの廃墟』から「トルコ行進曲」
L.v. ベートーヴェン/作曲
松原 幸広/編曲
ヴァイオリン+ピアノ/ギター版
vol.54(2013年9月2日発売) |
2013年 |
vol.52(2013年5月2日発売) |