冬本番です。
寒波に覆われた地域の多かった
年末年始の日本列島。
2015年が明け、
今年も音楽の楽しみを
広げていきたいものです。
冬は落ち着いて音楽を
楽しむ季節でもあります。
来日演奏家や身近な演奏会も
多い時期でもあります。
また窓の外の寒さを感じながら、
CDやメディアで名演奏をじっくりと聴いてみる、
楽譜を開いて新たな発見をするのに
相応しい時季ではないでしょうか。
もちろん楽器を取り出して弾くのも素敵です。
今号もサラサーテは
バラエティに富んだ内容でお届けします。
今号の特集は、「やっぱりチェロが好き♪」です。
オール・ザット・チェロ、チェロ特集です。
様々な視点から「チェロの魅力」を探ってみました。
まずは日本フィルハーモニー交響楽団を訪ねます。
雰囲気良く、明るい実力派の8人のチェロ奏者たち。
ソロ・チェロの菊地知也が率いる、
日本フィル・チェロ師団に迫ります。
小特集は2つ。
「J.S.バッハを演奏する」と
「《白鳥》を弾こう」です。
チェリストにとって「旧約聖書」ともいわれる
「無伴奏チェロ組曲」。
それに取り組む、一流のチェリストたちの
本音と取り組みを聞きました。
14年前に発売されたCDが再リリースされた藤森亮一、
昨年CDをリリース、
コンサートツアーも行った古川展生、
毎年夏に全曲演奏会を続けてきた上森祥平です。
もう一つの特集は、ベートーヴェン。
常に自己に問いかけるような
作品を残した彼に敬意を表して
「俺のベートーヴェン。」です。
実は、本誌でベートーヴェンを
特集するのは初めて。
交響曲、協奏曲、ソナタ……
たくさんの傑作を残した
作曲家の中期の作品に
スポットを当てました。
プロ、アマチュアを問わず
オーケストラで数多く演奏される
交響曲第5番《運命》について、
仙台フィルハーモニー管弦楽団で
活躍するヴァイオリニストの神谷未穂、
チェリストの三宅進の2人からアドバイスを。
「演奏したい」と思う人も多い
ヴァイオリンソナタ第5番《春》第1楽章の演奏法について、
水野佐知香から指南を受けました。
「サン=サーンス:《白鳥》を弾く」では、
本誌でお馴染み、東京フィルハーモニー首席チェロ奏者・黒川正三によって
演奏のポイントや内容を解説します。
この《白鳥》は、プロ/アマチュア問わず、チェロを弾く人の憧れを誘って止みません。
また、舞台で頻繁に演奏している人気・実力共に急上昇中の宮田大に、
演奏の心得や感じていることをインタビューしました。
活躍中のチェリストたちを紹介します。
ポーランドからアメリカ合衆国へ渡り、そこを拠点に活躍中のマレック・シュパキエヴィチ。
ジャンルを超えて行動し、合衆国でツアーに参加するMariko、
シューマン・クァルテットのチェリストであり日本でリサイタルデビューするマーク・シューマン。
若手・中堅の実力派チェリストたちとそのコンサートにインタビューしました。
チェロアンサンブル団体も増えていますね。中で注目したい2つの団体に会ってきました。
ヨーロピアンなロックとチェロを融合し、魅力的な音で迫るトリオの「カンターナ」。
そして若手同年代の実力派、辻本玲・市寛也・高木慶太・森山涼介による「クァルテット・エクスプローチェ」。
その他、「倶楽部チェロ」に、八王子のカサド国際コンクールの覇者、ホー・シーハオのインタビュー、「第5回チェロの日」情報も掲載しています。
【特集連動企画】には是非、ご注目ください。
ひとつは「頑張れ! エンドピン★」。
エンドピンでこれだけ音が変わる、と実験・紹介しています。
13本のエンドピンを並べ、水谷川優子がそれぞれを演奏。詳細なコメントを寄せました。
弊誌ならでは企画でもあります。
また、アムステルダムから「第5回チェロ・ビエンナーレ」。
重鎮、アンナー・ビルスマを中心に、ミッシャ・マイスキーやジャン=ギアン・ケラス、フランス・ヘルメルソンやヨハネス・モーザー、
そして2CELLOSも登場。写真とレポートでお楽しみください。
古いチェロを再生して弾けるようにするリペア企画も。
またトピックスには「1000人チェロ」分奏レポート、2CELLOSの新譜・サードアルバム情報も掲載しています。
Artist Close-Upには、チェリストの山崎伸子が登場します。
近年、ますます活躍の場を増やし、ソリストとして充実を増す山崎。
斎藤秀雄門下生として学び、
自身も門下から多くの優秀なチェリストを輩出する
彼女の音楽・人生・人柄などに触れます。
10年をかけて完成を目指すソナタシリーズについても熱く語ります。
特別企画は今回も注目です。
[新春特別てい談]新垣隆 & 川畠成道 柴田克彦が聞く
柴田克彦の司会で、作曲家・新垣隆とヴァイオリニスト・川畠成道、川畠が初演した「無伴奏ヴァイオリンソナタ」を中心に、じっくり語り合います。
2人の出会い、学生時代、曲のことや初演のエピソードなど。読み応え十分です。
[特別企画] カーボンマスターの里を訪ねて・2
カーボンファイバーのケースのふるさとを中国に訪ねる第2弾。
オーナーで、ケースのデザイナーでもある杜涛(Du Tao)さんに焦点を当て、工場や製品をレポートします。
ケースの製作工程の奥深さを感じてください。
[特別企画]アルシェの弓・1
質の良いコンテンポラリーボウを作り続ける同社に取材。
一流の製作家たちの求める“良質の素材”=フェルナンブーコ材を求めて同社が採った道のりは!?
楽器や活動が評価され、ローマ法王のミサでのエピソード、海外交流など、弓製作の理念と実際に迫ります。
アーティストインタビューも盛りだくさんです。
チェリスト出身でドイツ−オーストリア音楽の第一人者であるマルティン・ジークハルト。
リンツのこと、手掛けているプロジェクト、弦楽器の響きなどについて話してくれました。
中堅どころのチェリスト、ヨハネス・モーザーは現在、ヨーロッパでは名前を見ない月はない活躍ぶり。その音楽生活を語ります。
また、国際派でまたバロック/モダンの二つの世界を行き来する佐藤俊介。
15年2月のダンスとのコラボレーションについて語ります。
また、2つのバロックオーケストラのコンサートマスターに就任し、その様子についても聞きました。
LFJ2014に来日した、世界的に活躍するヴァイオリニストのマリナ・シシュ。ブレーメンを中心に欧米で活躍中です。
ライプツィヒのバッハ国際コンクールで日本人初の第1位を得た注目の若手ヴァイオリニストの岡本誠司も本誌初登場。
[ニューヨーク・フィルアーカイヴ]。
今回は、東西ドイツの統一を記念して開催された、ベートーヴェン交響曲第9番のコンサートで指揮者レナード・バーンスタインが使用したスコアを巡る話題です。
[アマチュアオーケストラを訪ねて]は、東京農業大学農友会管弦楽団です。
大学オーケストラが初登場します。創立から87年の伝統を誇る東京農業大学のオーケストラ、理科系の単科大学でのオーケストラの活動を紹介します。
青春をオーケストラとともに過ごす学生たちの姿です。
[復興へ、日本&東北]では、東京の音楽ホールが続ける被災地支援の記録を紹介します。
被災地での特定の活動を支援する、継続的な力を
巻末楽譜は、2曲を用意しました。
まずは、特集連動で、チェロのデュオ(二重奏)のために、グリーグの《ペール・ギュント》から「山の魔王の宮殿にて」。
もう1曲は、先日亡くなった李香蘭(山口淑子)を偲んで「蘇州夜曲」を弦楽四重奏版で、どうぞ。
今号も充実したプレゼントを用意しました。
特集連動での「エンドピン」。中心からタングステン・チタン・真鍮の3層で作られている優れものです。人気のエンドピンストッパーもあります。
ほかにNewsでご紹介したヴァイオリン職人が探偵となる小説の文庫本、コレリ弦のTシャツと松脂のセット、PMFの2015年カレンダー(※この商品のみ締め切りが早いのでご注意ください)などを抽選でプレゼントいたします。
また、今号では、春の特集に向けて、「弦楽器や弦楽器奏者に関するQ&A」の質問を受け付けます。応募要領は「Readers Room」の下をご覧ください。
是非、書店・楽譜店でご覧ください。
[特集連動]第5回アムステルダム・チェロ・ビエンナーレ
[特集連動]チェロを再生する
[特別企画]頑張れ! エンドピン★
●柏木真樹の音楽的な進化を目指す人へ
音楽脳のつくり方(4)
●低音ジャーナル
中村勇一/弓付け・《英雄》最終回
●柴香苗の大人のためのヴァイオリン講座
クロイツェル
●倶楽部チェロ
ホー・シーハオ、第5回チェロの日 他
●黒川正三のチェリストのための基礎講座[特別編]※特集内《白鳥》を演奏する
●cafe du 室内楽
アルカント・カルテット/室内楽Topics/室内楽+ 「星めぐりの歌」古典四重奏団
●ヴァイオリンCD 館
志村寿一
●川畠成道の レガート・コンチェルタンテ・44
●遠藤記代子のかっこいい!ベーシック・スタディ・4
●弦楽器工房を訪ねて・51
幹弓
●スクールオーケストラ訪問記・7
松本秀峰中等教育学校オーケストラ部
●アマチュアオーケストラを訪ねて・15
東京農業大学農友会管弦楽部
◆松下敏幸のクァルテット楽器を貸与
◆2CELLOSがサードアルバムを発表
◆第5回1000人チェロに向け分奏開始!
◆エクQの大友肇が斎藤記念賞受賞!
◆チェロの山澤慧が朝日現代音楽賞受賞
◆クレモナ・トリエンナーレ2015、速報
◆ネマニャがCD2枚をリリース&来日ライヴ
◆クロサワバイオリン池袋店オープン!
◆モーツァルトの愛奏したヴァイオリンを展示
復興へ、日本&東北
◎蘇州夜曲
服部良一/作曲
松原幸広/編曲
弦楽四重奏版
◎「山の魔王の殿堂にて」[特集連動]
劇付随音楽《ペール・ギュント》より
グリーグ/作曲
松原幸広/編曲
チェロ二重奏版