【vol.71】 2016年7月2日発売
サラサーテvol.70表紙
 今月の表紙には若手ながら圧倒的な人気を誇るチェリスト、宮田大の登場です。

 9月には、東京・サントリーホールと大阪・いずみホールで、無伴奏リサイタルを開きます。

 サントリーホールがすでに完売になっています。

 「Artist Close up」では、3歳からチェロを始めた彼のキャリア、人生観、スキューバーダイビングの趣味などの話も突っ込んで聞いています。


【特集1】「ヴィオラに恋して♪」
 本誌2回目の貴重なヴィオラ特集です。
 まず今回は東京交響楽団のヴィオラセクションに焦点を当てました。首席3人も含めて、今回取材した8人中7人が女性だ(もう1人も育休中の女性)。公私ともに助け合い、さっぱりしているがまとまりの良い、職人気質の集団のようです。





 ヴィオラスペース2016のレポートと開催中に行われた今井信子、小栗まち絵、百武由紀のヴィオラ教育をめぐる鼎談「ヴィオラを伝える」で、日本のヴィオラ界の現在を俯瞰します。
 ヴィオリストのインタビューは、世界のトップ奏者キム・カシュカシアン、日本の誇る重鎮中の重鎮の菅沼準二、第2回東京国際ヴィオラコンクールで第2位入賞、ガース・ノックスに師事しイギリスで研鑽中の牧野葵美、新しいCDをリリースした須田祥子。
 また、特集連動の連載として、読売日本交響楽団ソロ・ヴィオラ奏者・鈴木康浩による「オーケストラスタディ」第8回。テーマはブラームスの交響曲第1番で、オーケストラでヴィオラを弾くノウハウを学びます。そして、今後1年のヴィオラコンサートをまとめて紹介しています。
【特集2】「かっこいい!! ヴィブラート」
 もうひとつの特集は、人気企画のヴィブラート特集です。
 ヴァイオリンは、基礎編を読売日本交響楽団のアシスタントコンサートマスターの伝田正秀、実践編は徳永二男が誌上レッスンをします。
 さらにチェロ編。黒川正三の人気連載「チェリストのための基礎講座」は特集連動で「ヴィブラートの上手な使い方」J・S・バッハの《アリオーソ》を題材に、具体的な実践的演奏法を教えます。

 さらに人気チェリスト遠藤真理に、彼女のヴィブラートに対する姿勢・使い分けのポイントを聞きました。
カラー連載 第3回「ストラディヴァリウスの輝き」
 日本音楽財団の協力のもと、同財団の所有するストラディヴァリウスと、その貸与アーティストを取材する連載。第3回に登場するのは、説明の必要もありません諏訪内晶子と“ドルフィン”です。
 かつてヤッシャ・ハイフェッツが使った名器は、しかし彼女が手にした時には、前の使用者の音はまったく残っていないように感じたそうです。
アーティストインタビュー
 6月2日に結果が発表されたモントリオール国際コンクール・ヴァイオリン部門で日本人として初めて優勝した18歳、辻彩奈。帰国した彼女にさっそくインタビューしました。
 そして5月のベルリン・フィルと来日公演に参加したヴィオリストの清水直子。
 5月の別府アルゲリッチ音楽祭に参加し、6月は自身主宰のトランス=シベリア芸術祭にも来日したヴァディム・レーピン。
 そしてGWのラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンに参加した2人のコンサートミストレス、ポーランドのアンナ=マリア・スタシキェヴィチと笠井友紀です。
トマスティークの新「VISION」弦
 トマスティークから発売されているシンセティック弦の機能を持ちながら、より安定性の高い「VISION」弦。

 何よりリーズナブルな価格と、すぐに弾きやすい特性が特徴。「VISION」の4つのラインナップから、良し悪し・好みでも選べるように、開発コンセプトを聞き、試奏レポートも掲載しました。
4〜5月の音楽祭レポート
 初夏の日本列島は音楽祭が花盛り。精力的な現地取材を敢行しました。
 まずは4月にロームシアター京都で初めて開催された「ローム ミュージック フェスティバル2016」。

 そしてGWの「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」(東京)。

 アシュケナージ親子やピンカス・ズーカーマンが参加した「第21回宮崎国際音楽祭」、そして〈平和と音楽〉をテーマに行われた「第18回別府アルゲリッチ音楽祭」です。

特別現地レポート
 特別レポートとして、第6回仙台国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門の現地レポートをお届けします。
 話題になったセミファイナルの課題曲・シューマンのヴァイオリン協奏曲を巡る展開、ファイナルでの名演の数々を取材で。



 また、第1回スピヴァコフ国際コンクールで第2位となった鈴木舞には、その実感をレポートしてもらいました。
★好評連載、そして企画ものも満載です
連載[ニューヨーク・フィル アーカイブを読む][29]
 バーンスタインが夏のオーケストラアカデミーを指導したショスタコーヴィチの交響曲第1番。
 そのリハーサル映像と使用楽譜のシンプルな演奏指示の積み重ねを通じて、指揮者とオーケストラとが共有する曲の世界観が次第に大きな構造として形になっていくプロセスを見ることができます。
好評連載企画
●柏木真樹の[良い演奏のための処方箋]
 前号からスタートした「良い演奏のための処方箋」。第2回はヴァイオリン歴29年の読者モデルからのご相談。右手と左手、それぞれの問題の克服の仕方を伝授します。

●「低音ジャーナル」
 現役最高齢と言われていたコントラバス奏者のジェイン・リトル。5月16日に自身が所属したアトランタ交響楽団のコンサートで意識を失い、病院にて逝去。ジェインの追悼記事を掲載します。

●「長谷川陽子のチェロを始めよう!」
 第2回は、《ちょうちょう》を弾こう。いよいよズブの素人が、第1ポジションで曲にチャレンジします。

●TSUKEMEN「俺たちの音楽」の話
 第2回目はヴァイオリニストのKENTA。まずは自己紹介から。そして、緊張と深呼吸について語ります。
●「倶楽部チェロ」
 チェロの小品を集めたCD「ザ・スワン」をリリースした奥田なな子が登場。CDをリリースした経緯をはじめ、自身の生い立ち、チェロをはじめたきかけなどをうかがいました。

●志村寿一の「身体と音楽との調和」
 “個性的な演奏”とは? そもそも“個性”とは何か、どのように演奏に現れるのか、具体的に考察します。

●「Cafe du 室内楽」の「クァルテットの極意」は、9人姉弟の中で結成されたジラール四重奏団です。
 今年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで単独としては初来日を果たしました。次の目標はフランスの弦楽四重奏団初のベートーヴェン全曲録音だと、意欲を聞かせます。

●「オーケストラ ア・ラ・カルト」
 アンゴラ・カポソカ音楽院オーケストラ。貧しい地区での子ども達のオーケストラ。弦楽器の演奏を通じて社会を変えていく、壮大なプロジェクトをご紹介します。
●好評連載企画
 ニューヨーク・フィルのコントラバス奏者・岡本哲史の「厳しいオーディション、これまでとこれから」。
 その他、今年開館30周年を迎えたサントリーホールの「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」や秋の《スペシャルステージ》の情報記事など、盛りだくさんです。
巻末楽譜
 今号は『サンダーバード』より メインテーマの弦楽合奏版(パート譜付)と、J・S・バッハ作曲/無伴奏ヴァイオリン パルティータ第3番より《ガボット》のヴィオラ・ディオ版の2曲です。
読者プレゼント
 特集「ヴィオラに恋して」にちなんだ品物を含む魅力的なプレゼントを用意しました。
 トマスティーク・インフェルトの松脂「VISION VIOLA ROSIN」を1名様。
 トマスティーク・インフェルトのヴァイオリン弦「Vision」と「Uision Solo」を1名様。
 今年、25回目を迎えた「ヴィオラスペース2016」のパンフレット 2名様に。
 宮崎国際音楽祭 公式グッズ、クリアファイル、メモ帳、付箋、ボールペンを1セットにして3名様に。
 テディ・パパヴラミ自伝『ひとりヴァイオリンをめぐるフーガ』を1名様。
 『ストリート・オーケストラ』(英題)映画チケット1枚を2名様に、プレスキッドを2名様に。

※遠藤記代子の「一筆エッセイ」は今号お休みします。

★★『サラサーテ』71号、是非、書店・楽譜店でご覧ください。★★
写真: (c) 三浦興一、藤本史昭、大杉隼平、平原克彦、佐々木卓男、堀田力丸、
国際音楽祭NIPPON、宮崎国際音楽祭、仙台国際音楽コンクール事務局、編集部
特集
キム・カシュカシアン

菅沼準二

牧野葵美

須田祥子
アーティストインタビュー
辻 彩奈

清水直子

ヴァディム・レーピン