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2019年8月号【vol.89】(2019年7月2日発行)
サラサーテvol.89表紙
【巻頭企画 チェリスト必読コミック『僕のジョバンニ』】
漫画誕生のきっかけになった《チェロよ歌え!》&ジョヴァンニ・ソッリマとは?/ソッリマ100チェロコンサートとは何か

 今号は表紙も含めて特別企画。
 月刊フラワーズ(小学館刊)連載中で単行本も4巻まで出ているコミック『僕のジョバンニ』とのコラボレーション企画です。
 チェリストを目指す幼なじみのふたり、手塚鉄雄と橘郁未(いくみ)の物語。その主人公の憧れのチェリストのモデルであり、作者がそれを聴いてインスパイアされて物語を描き始めたと公言しているのが、作曲家でもあるジョヴァンニ・ソッリマであり、彼の作品《チェロよ 歌え!》です。
 そのソッリマが8月に来日。すみだトリフォニーホールで「100チェロコンサート」という、プロ/アマチュア、年齢、性別問わずのチェロアンサンブルコンサートが行われます。


国境、世代、ジャンルを超えたチェロのアンサンブル「100チェロ」。イタリアでの様子
 そこで、『僕のジョバンニ』とソッリマ&100チェロコンサートについて解説。コミックの作者、穂積のインタビュー。また、この10年注目の集まっているソッリマその人と、彼の作品について、実際に作品を演奏している水谷川優子、海野幹雄、宮田大、伊藤悠貴、岡本侑也、荒井結に聞いています。

「100チェロ」について語ってくれたアマチュア・芳山朋史さんと多田愛さん
【特集】弦楽器小品マスター術 お役立ちリスト付き
 弦楽器を習い始めたら、やはりまず弾いてみたいのが小品。
 ヴァイオリンならクライスラーの作品やサラサーテの《ツィゴイネルワイゼン》、チェロならサン=サーンス:《白鳥》やエルガーの《愛のあいさつ》などなどでしょう。
 そこで今回は小品の選び方、弾き方、難易度などの解説をします。
 まずは葉加瀬太郎に、不朽の名曲《情熱大陸》の直伝レッスンをお願いしました。柏木真樹が小品を選ぶときの目安にしたい「難易度表」作成、小品リストとしてもお役立ちです。そして楽器別におなじみの演奏家たちが小品を紹介、弾き方を伝授します。Vnは礒絵里子、Vaは須田祥子、Vcは海野幹雄、Cbは鷲見精一です。本特集を参考に小品にトライしてみませんか。
[現地取材レポート]
 春そして初夏になり、世界&日本各地でコンクール、音楽祭が花盛りです。今回は本誌記者が方々に飛びました。
 まずは、「エリザベート王妃国際コンクール ヴァイオリン2019」。ファイナリスト12人の中に、岡本誠司、宇野由樹子という日本人がふたり残りました。さてファイナルの結果はいかに?
 その他、マルタ・アルゲリッチの孫が日本デビューした「別府アルゲリッチ音楽祭」はじめ、「ローム ミュージック フェスティバル 2019」、「ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2019」、「宮崎国際音楽祭」、「ヴィオラスペース2019」「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン2019」を取材しています。


毎回のエリザベート王妃国際コンクール・ファイナルが行われる通称「ボザール」

ヴァイオリン部門は、第1位ステラ・チェン(アメリカ)、第2位ティモシー・チョーイ(カナダ)、
第3位ステファン・キム(アメリカ)

別府アルゲリッチ音楽祭東京公演は5月24日行われた © Rikimaru Hotta

「ローム ミュージック フェスティバル 2019」での弦楽アンサンブル公演 © 佐々木卓男

第23回宮崎国際音楽祭。メインコンサートのひとつ、
P・ズーカーマンが指揮するマーラーの交響曲第4番演奏後に、メンバー大集合
モダン・イタリーの逸品/カルロ・ビジャッキ
 今回紹介するのは1925年製《カルロ・ビジャッキ》。
 カルロ・ビジャッキ(1892〜1968)は、20世紀の弦楽器製作において最も繁栄したイタリア・ミラノに多大なる貢献をしたレアンドロ・ビジャッキの次男。彼はフィレンツェに移り独自の工房を開いた。繊細な細部の作り、独特な色合いと、強い個性を持つ彼の作品は、今も非常に人気が高い。まさに“モダン・イタリー”を代表する存在だ。
アーティストインタビュー
 アントワン・タメスティ(Va)は、今井信子の信頼厚く、今は「ヴィオラスペース」の実質音楽監督的な立場にある。今回もなかなか凝った企画で楽しかった(是非レポート記事P75を参照ください)。
 さて、そのタメスティが最近大活躍の鈴木優人とJ・S・バッハのヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ集を、ハルモニア・ムンディに録音した。彼らふたりがこだわり、すり合わせたCDの話を中心に聞いた。
 川田知子(Vn)は今や中堅奏者として、自身のソロはもちろん、宮崎国際音楽祭でも主要メンバーとして活躍している。小林武史、田中千香士、澤和樹、原田幸一郎という錚々たる教師遍歴の話、自身の教育活動など、さまざまな話をしてくれた。
 カート・サスマンハウスはヴァイオリニスト/ヴァイオリン教師として、世界的に愛用されているテキストを発行している。鮮やかな色合いのイラストとわかりやすいその本は、彼の情熱から生まれた。そのコンセプトや実践について語る。
★特別企画★
・日本の弓ブランド アルシェ。工房の製作者たちが、「弓を作ること」やそのこだわり、技術について座談会を行った。その様子をレポートする。

《アルシェ》弓製作技術陣
・東京音楽大学が中目黒・代官山キャンパスをオープン。新校舎とそこで指導する器楽専攻教授(ヴァイオリン)木野雅之に聞いた。
★好評の連載★
●柏木真樹「ヴァイオリン習得術革命 〜誤った常識を打ち破れ」
 これまで当たり前に行ってきたヴァイオリンの練習方法に誤りはないか? ヴァイオリン指導者の柏木真樹が、骨や筋肉などの身体の仕組みから、効果的な演奏方法を考察する。今号は「格好良く弾くこと」について考察する。

●「低音ジャーナル」
 東京佼成ウィンドオーケストラを本拠に幅広く活躍する前田芳彰。
 2月に出版した『もっと音楽が好きになる上達の基本 コントラバス』を出版。コントラバスとの出会いと、出版した教則本について聞いた。

●グスタフのCDぶらり旅
 ダン・ステュッフェの「オスロからの葉書〜ソロ・コントラバスのための音楽〜」。

●加藤正幸の「BassQ→A! HYPER弓付の極意」
 前号に続き、シベリウスの交響曲第2番を取り上げる。

●森武大和の「ウィーン コントラバシスト演奏日記」
 リンツ・ブルックナー管弦楽団を離れ、ウィーン放送交響楽団に入団。いよいよ始まったウィーンでの生活。
 第4回は、「モリタケ式オーディション対策、その成否は!?」

●岡本誠司「ベルリンからの手紙」
 ベルリン・ハンス・アイスラー音楽大学に留学。アンティエ・ヴァイトハースのもとで学びながら、精力的に演奏活動を行っている岡本誠司の連載。 第3回は「エリザベート国際コンクールとクラスコンサート」

●田原綾子の「ヴィオラ武者修行」
 東京音楽コンクールで優勝し、リサイタル室内楽でも活躍する若きヴィオリストの田原綾子。
 パリ・エコールノルマル音楽院で学びながら、各地の音楽祭に参加するなど、あちらこちらへと飛び回る。第3回は留学のきっかけと、パリで師事するブルーノ・パスキエについて綴る。

●森元志乃の「ヴァイオリン基礎テクニック、リターンズ!・2」
 「1回5分で上達する基礎練習」の章を経て、前号からスタートした「スケールを弾いてレベルアップする」。
 第2回は、スケールの種類と練習する目的について。

●白瀬ゆりの「音程をきたえる」
 不安定な音程のその理由を探り、安定した音程を取るための練習を提案する。第2回はペグでの調弦について解説する。

●鈴木康浩の「ヴィオラのオーケストラスタディ」
 読売日本交響楽団ソロ・ヴィオラ奏者、鈴木康浩による「ヴィオラのオーケストラスタディ」。
 今号の課題はベルリオーズの序曲《ローマの謝肉祭》

●黒川正三の「チェロ演奏のための音階を楽しく学ぼう」
 「チェリストのための基礎講座」の新シリーズ。
 すべての基礎となる「音階」を楽しく学び、確実な技術の向上、安定を目指す。 第4回は「実践的な音階の練習」。

●長谷川陽子の「チェロを始めよう!」
 チェロ歴7年の受講生が陽子先生の指導のもと、課題曲に取り組む。
 今号と次号とでフォーレの《エレジー》に挑戦する。特集「小品マスター術」に併せ「小品の弾き方」についても解説。


長谷川陽子(チェリスト)と生徒。今号ではフォーレの《エレジー》を学ぶ
●TSUKEMEN「俺たちの音楽」の話  メンバーの一人ひとりに焦点を当てている「俺たちの音楽」の話。
 今号はKENTA(ヴァイオリン)が登場。4月17日リリースのアルバム「時を超える絆」について語る。


TSUKEMENの令和スタート。この日はTBSラジオに出演 写真提供/エニー
●宮田大「音楽と、私の大切な時間」
 人気実力共に抜群のチェリスト宮田大が「私の大切な時間」を語る。
 その第8回は「白鳥は栄養ドリンク3本!?」、チェロの小品について。

●[室内楽]
 「カフェ・ドゥ・室内楽」では、第8回秋吉台コンクールでの初の弦楽四重奏部門を、音楽ジャーナリストの渡辺和がレポート。
 

第8回秋吉台コンクール・弦楽四重奏部門はハイレベルな審査となった
 「室内楽+」では、リヨンを拠点に活動するフランス最高のクァルテットのひとつ、クァルテット・ドビュッシーを紹介する。


東京と新潟を拠点に活動するTOKI弦楽四重奏団
 「室内楽トピックス」に登場するのは、岩谷祐之(1st Vn)、平山真紀子(2nd Vn)、鈴木康浩(Va)、上森祥平(Vc)によるTOKI弦楽四重奏団。今年のコンサートではメンデルスゾーン、レスピーギ、プッチーニなど、イタリアの作曲家プログラムを演奏する。

●老舗弦楽器専門店の工房から
 弦楽器専門店の老舗・文京楽器。製作者としても評価の高い敏腕・堀悠基社長による連載。
 9回目は弦楽器弾きにとってショックの大きい、「ワレの話」

●志村寿一の「身体と音楽との調和」
 身体と楽器との良い関係について取り上げている。今号は、「楽器を構える・5」

●川畠成道の「レガート・コンチェルタンテ」
 今号のテーマは「音楽への愛、音楽の愛……AIの中の愛!?」。勉強を続けているパソコンと、作曲家が作品に込めた「愛」について。

●「遠藤紀代子の一筆エッセイ」
 ヴァイオリニストで指導者の遠藤紀代子が、日々感じたことを綴る一筆エッセイ。
 今号は、ハイドンの「2つのヴァイオリンとヴィオラのための12の弦楽三重奏」にまつわる話題。

●復興へ、日本&東北
 2018年7月に西日本の広範囲を襲った豪雨。「被災地にピアノの響きを! プロジェクト」はクラウドファンディングで、その時被災した中学校にピアノなどを送る活動を行っている。その主宰者、古瀬幸広のメッセージを掲載。
☆好評記事☆
●アマチュアオーケストラを訪ねて[41]
 2008年発足。某電機メーカーC社の関係者が中心となり活動するオーケストラ、C交響楽団を取材。


C交響楽団のメンバーたち
●弦楽器工房を訪ねて
 高倉匠弦楽器製作工房を訪ねる。弦楽器製作学校の講師として長年、才能を育ててきた高倉が独立して開いた工房と教室。指導の傍ら、現在はヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの製作を手掛ける。彼の半生を紹介しつつ、意気込みを語る。

●News、コンサートレポート 他
巻末楽譜
〇「情熱大陸」(ヴァイオリン+ピアノ版)
〇チェロのためのJ・S・バッハ風「アヴェ・マリア」(チェロ二重奏版)
読者プレゼント
 今号もたくさんのプレゼントを用意しました。
 エリザベート王妃国際コンクール 公式パンフレット 2名様
 サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデンのクス・クァルテット直筆サイン入りパンフレットを3名様
 アルシェの松脂 Etudeを1名様
 第24回宮崎国際音楽祭公式記念グッズ、クリアファイルとメモ帳を各3名様にプレゼント。

※2019年8月号(Vol.89)の綴じ込みはがきにてご応募ください。お待ちしております。

★ご購入は、書店・楽器店の他、「Fujisan net」でも「Amazon」でもお申し込みできます。

★★『サラサーテ』2019年8月号(Vol.89)、是非、書店・楽譜店でご覧ください。★★
巻頭企画
水谷川優子(チェリスト)

宮田 大(チェリスト)

荒井 結(チェリスト)
【特集】弦楽器小品マスター術
礒絵里子(ヴァイオリニスト)

須田祥子(ヴィオリスト)

海野幹雄(チェリスト)

鷲見精一(コントラバス奏者)
アーティストインタビュー
アントワン・タメスティ
(ヴィオリスト)

川田知子(ヴァイオリニスト)

カート・サスマンハウス
(ヴァイオリニスト/指導者)
好評の連載
木野雅之
(器楽専攻教授/ヴァイオリン)

森武大和(コントラバス奏者)
好評記事
高倉匠弦楽器製作工房の
高倉匠
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