vol.38 WEB連動企画「実際に聴いて、音程を実感しよう」
サラサーテ Vol.38 特集と連動企画です。 詳しくは、本誌61ページを参照ください。 ※音符マーク「♪」と(a442)というように表記されている箇所をクリックすると、実際の音を確認していただけます。
1.基準ピッチ
2.音のずれ
- 音が少しずれると汚く聞こえる。
- A=442HzとA=440Hzでは2Hz、つまり1秒間に2回のうなりが聞こえる。
- オーケストラのように大人数で演奏するときはこの程度のずれは「音の豊かさ」になる。
A=442HzとA=440Hz ♪ (a442440)
A=442HzとA=441Hz ♪ (a442441)
3.各弦のチューニング
4.「ミ」の音の違い
5.三和音
- ハーモニーの基本となる「三和音」。
- ここではハ長調の「ドミソ」を考える。
- まず、G線の開放弦のソの1オクターブ上のソの音をD線上で取る。
- そのソに対して完全5度下にドの音をG線で取る。
- これで「ド―ソ」の完全5度ができた。その間にミの音を入れる。
- ドに対してミは3番目の音なので「第3音」という。
- 「第3音は低めに」と言われるが、4.で取った低い方のミを当てはめるときれいにハモる。
ドとソ ♪ (cg)
ドと低いミとソ ♪ (celowg)
低いミ ♪ (elow)
ドと高いミとソ(ハモらない) ♪ (cehighg)
高いミ ♪ (ehigh)
6.音程
7.ハ長調の音階
- 開放弦をたよりにして、ハ長調の音階を正しく取ってみよう。
ド: ♪ (pc)
Gの開放弦 ♪ (pgopen)
その1オクターブ上のソの音をD線上で取る ♪ (pgg)
取ったソの音 ♪ (pgup)
ソと完全5度になるようにドの音を取る ♪ (pgc)
レ: ♪ (pdfinger)
D線の開放弦 ♪ (pdopen)
うなりがないようにおさえて取る ♪ (pdd)
ミ: ♪ (pe)
A線の開放弦の完全4度下になるように取る ♪ (pea)
-または、E線の開放弦に合わせてA線上の4の指でミの音を取る。
-そのミの1オクターブ下になるようにD線上1の指でミの音を取る。
ファ: ♪ (pf)
最初に取ったドの音 ♪ (pc)
その完全4度上 ♪ (pcf)
ソ:→ ♪ (pgup)(pgup)
G線の開放弦 ♪ (pgopen)
その1オクターブ上の音を取る ♪ (pgg)
ラ: ♪ (pa)
A線の開放弦 ♪ (paopen)
うなりがないようにおさえて取る ♪ (paa)
シ: ♪ (ph)
E線の開放弦 ♪ (peopen)
その完全4度下になるように取る ♪ (phe)
ド: ♪ (pcup)
D線上に取ったソ ♪ (pgup)
その完全4度上 ♪ (pcg)
ピタゴラス音律で弾いたハ長調の音階 ♪ (pitagorasu)
平均率で弾いたハ長調の音階 ♪ (welltemp)
8.差音
- 差音とは2つの音が鳴ったときにそれぞれの周波数の差の周波数の音。
- 例えばA=440HzのときEは660Hz、その差220Hzは最初に弾いたラの1オクターブ下のラになる。
- この場合は等の音が重複するので聞き取りにくいが、響きが豊かになり、音が安定することがわかる。
- 実際に弾いていない音が出る組み合わせもある。例えば長6度。下の音の完全5度下の音が鳴る。
- 譜例のようにラとファ♯を弾くとレの音が鳴る。これは開放弦と同じ高さのレである。弾いている和音がきちんとあっていないと差の音がずれるため、響きが安定しない。より「汚い」響きになってしまう。
- こうした音を注意深く聞き取って、音程を良くしていこう。
開放弦のラ ♪ (disa)
長6度上のファ♯ ♪ (disfis)
同時に弾く ♪ (disafis)
D線の開放弦と同じレの音が聞こえる ♪ (disd)