vol.60 2014年9月2日発売
秋が来ました。
暑さの厳しかった夏を思いつつ、
じっくりと楽器に取り組むことが
できる季節でもあります。
今号の特集は、
弦楽器の演奏技術《もっと上手くなる基礎》より
「デタシェとスタッカート」。
弦楽器には様々な右手の「使い方(=奏法)」があります。
今回は、その中から「デタシェとスタッカート」を
取り上げました。
そもそも、この両者は「弦楽器の奏法」の中で
どのような位置づけなのでしょうか?
本誌連載でお馴染みの柏木真樹が、解説します。
わかりやすいイラストと共に確認してみてください。
また、「デタシェ/スタッカート」における身体の使い方は、本誌の特集で毎回好評のバビブ・カヤレイが登場。
多くの演奏家を育てた彼の解説も明快です。
さらに実践的アドバイスとして、演奏家からはドイツ、スイスなどヨーロッパで活躍する笠井友紀に聞きました。
もう一つの特集は、「室内楽」です。
弦楽器の究極の楽しみは、室内楽。
作曲家たちが、その技術と情熱を込めて
作曲した名曲の数々を私たちは楽しむことができます。
今号では、室内楽の国際コンクールとして
国内外の評価が高い大阪国際室内楽コンクールの
レポートを皮切りに、優勝者のコメント、
審査員へのインタビュー、
ライナー・シュミットによるマスタークラスなど
盛りだくさんな内容です。
また、室内楽を弾いて楽しむにあたっての
疑問をQ&Aにしました。
アマチュア奏者から出された「?」に
クァルテット・エクセルシオの4人が答えます。
実際のクァルテット演奏をより楽しむためのコツの企画です。
他に関連企画として、今年、サントリーホール「チェンバー・ミュージックガーデン」ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を全曲演奏したキュッヒル・クァルテットも登場します。
Artist Close-Upに待望のヴァイオリニストのマキシム・ヴェンゲーロフが登場します。
2008年の突然の引退宣言から復活し、今や「巨匠」の風格をも身に付けた彼に本誌では昨年に続きインタビュー。
彼の現在の音楽への思いを大いに語ります。
特別企画は2本。ヴァイオリンと弓です。
特別企画 30万円(以内)のヴァイオリン大集合
ヴァイオリンを購入する時に、一つの価格の目安を30万円としてみました。
敷居が高いと感じる人もいるかもしれませんが、それぞれの楽器の魅力を読み取ってみてください。
特別企画 「巨匠 ピエール・ギオムの弓」
コンテンポラリーの弓作家として世界中から崇敬を集めるピエール・ギオムにロングインタビュー。
弓に夢中だった子ども時代から修行時代、そして現在の弓作り、材料へのこだわりをご紹介します。
アーティストインタビューも盛りだくさんです。
世界で活躍するヴィオリストのタベア・ツィンマーマンがヒンデミットとその楽曲を中心に語ります。
封切りされた映画がヒットしているヴァイオリニストのデイヴィッド・ギャレットが銀幕でのエピソードを。
指揮者の西本智実がバチカンでの体験や「夢の第九」について語ります。
注目の実力派チェリストであるウェン=シン・ヤンと中木健二がそれぞれのアーティストとしての考え方などを。
また、デュオでも活躍中でCDをリリースしたヴァイオリニストの漆原啓子・漆原朝子がその楽しみを、バロック/モダンの両刀使いの桐山建志がバロックの考え方を語ります。
[ニューヨーク・フィルアーカイヴ]では、特別編としてロリン・マゼールの追悼企画を。
アーカイヴの担当者が興味深いエピソードを語ります。
マゼールのニューヨーク・フィルデビューのエピソードも。
小中学校の管弦楽クラブを紹介する[スクールオーケストラ訪問記]
今回は羽村市立羽村東小学校ジュニアオーケストラが登場します。小学校のクラブが初登場します。
もう一つ、[オーケストラ・ア・ラ・カルト]は、SFS合奏団です。
千葉県流山市で活動する合奏団の様子を紹介します。
[復興へ、日本&東北]では、地道な活動を続けるアマチュア・チェロ奏者からの投稿で。明日を見つめます。
巻末楽譜は、3曲を用意しました。
まずは、大人気のディズニー映画『アナと雪の女王』より「Let It Go 〜ありのままで〜」を前号と趣を変えてヴァイオリンとチェロで。
ヴァイオリン二重奏版の楽譜は、チャイコフスキーの名曲、『眠りの森の美女』から「ワルツ」です。映画にも使われています。
ヴァイオリンとヴィオラは、NHKのドラマ『花子とアン』から「にじいろ」です。楽しく弾いてみてください。
秋の演奏企画に活用してみてください。
60号を記念してのプレゼント企画を用意しました。高級松脂、肩当てなどが抽選でプレゼントいたします。
是非、書店・楽譜店でご覧ください。
特集 「デタシェとスタッカート」
●弦楽器の右手を決定づける
「デタシェとスタッカート」の考え方 柏木真樹
●良い音を作る
「デタシェとスタッカート」の身体の使い方 ハビブ・カヤレイ(015_kaya.jpg)
●演奏家に聞く
良い音の[デタシェ]と適切な[スタッカート] 笠井友紀
特集 聴く・弾く♪「室内楽への誘い」
●第8回大阪国際室内楽コンクール
●マーティン・ビーヴァー(Vn)、アルト・ノラス(Vc)
●クァルテット・エクセルシオに聞く―弦楽四重奏演奏のコツQ&A
●20年目を迎えたフィルハーモニーカンマーアンサンブル
Artist Close-Up
- ヴァイオリニスト、マキシム・ヴェンゲーロフが登場します。
- 2008年の引退宣言から数年を経て復活したマキシム・ヴェンゲーロフを追いました。
- 身体の故障から、サバティカル(休暇)を経て私たちの前に戻った彼は、前にも増して広範に充実した活動を行っています。
- 若い音楽家とのかかわり、これからの活動、大いに語ります。ショートヒストリーは彼の生い立ちを紹介していきます。
特別企画 30万円(以内)のヴァイオリン大集合
- ヴァイオリンを購入する時に、一つの価格の目安を30万円としてみました。
- 敷居が高いと感じる人もいるかもしれませんがそれぞれの楽器の魅力を読み取ってみてください。
- 今回は、22万?30万円のヴァイオリンが25本、集まりました。
- 特徴、ブランド、モデル、原産国、価格(本体価格)、楽器店・ディーラーからのコメントを掲載しました。
- カラー写真からも特徴を捉えることができます。購入の参考にお役立てください。
特別企画 「巨匠 ピエール・ギオムの弓」
- コンテンポラリーの弓作家として世界中から崇敬を集めるピエール・ギオムにロングインタビュー。
- 弓に夢中だった子ども時代から修行時代、そして現在の弓作り、材料へのこだわりをご紹介します。
- 「弓作りが好き」「より良い弓を作りたい」という情熱で進んできた彼の姿を浮き彫りにしていきます。
ニューヨーク・フィル アーカイヴを読む・特別編
- 今回は、特別編として「追悼 巨匠ロリン・マゼール」をおおくりします。
- アーカイヴに残された貴重な資料と共に、マゼールとNYPの関わりを追っていきます。
- 12歳でデビューした時の写真も掲載しました。
●黒川正三のチェリストのための基礎講座
- ボウイングの基礎 (3) 速いボウイングと刻み
- 3回目を迎えたチェロの基礎講座です。
- ボウイングについて、今回はスピッカートと刻みをテーマに解説します。
- 譜例と図、写真で明快に説明していきます。
◎連載
※ますます充実する連載です。
●「音・新世界紀行 特別編 「ストラディヴァリブックス」を訪ねて」
- 今回は、本誌で連載を続けている企画「探訪!!ストラディヴァリの遺産」を編纂しているチームのヨースト・テエネを訪れました。
- ドイツ・ケルン近郊に訪ねました。彼らの新しいアクティビティについても紹介します。
●倶楽部チェロ
- 海野幹雄・ベートーヴェンコンサート/ホー・シーハオ/東北キャラバン 他
●スクールオーケストラ訪問記(5)
- 羽村市立羽村東小学校ジュニアオーケストラ
●柏木真樹の音楽的な進化を目指す人へ
- 音楽脳をつくる (2)
●柴香苗の大人のためのヴァイオリン講座
- カイザーIII
●ヴァイオリンCD館
- 南紫音
●復興へ、日本&東北
- 日本国内外のactivityを紹介
●ヴィオラを始めよう!!
- ブルックナー:交響曲第7番(1)
●弦楽器工房を訪ねて
- ラーツィ・パル
●カフェ・ドゥ室内楽
- キュッヒル・クァルテット
- 室内楽Topics /室内楽プラス
◎トピックス
★クレモナ・モンドムジカと日本での弦楽器フェア
★11月、サントリーホールで『卑弥呼』上演
★娘・ステファニーの手になるアルゲリッチ映画
★BCJが第45回サントリー音楽賞を受賞
★ラザレフ?日本フィルの新プロジェクト
★盛況だった調布音楽祭2014
★クロサワバイオリン、弦楽器の大商談会を開催
★コンサートレポート 8本
◎News
◎READER'S ROOM
◎読者プレゼント
◎アマチュアオーケストラ公演情報
巻末楽譜
◎「Let It Go
〜ありのままで〜」
映画『アナと雪の女王』より
クリスティン・アンダーソン・ロペス、
ロバート・ロペス/作曲
松原 幸広/編曲
ヴァイオリン+チェロ版
◎NHKドラマ『花子とアン』より
「にじいろ」
絢香/作詞作曲
松原 幸広/編曲
ヴァイオリン+ヴィオラ版
◎バレエ音楽『眠れる森の美女』より
「ワルツ」
チャイコフスキー/作曲
松原 幸広/編曲
ヴァイオリン二重奏版
vol.61(2014年11月1日発売) |
2014年 |
vol.59(2014年7月2日発売) |